【英国研修記】共感の工房見学
せっかく行くなら向こうの工房も見て見たい!
できればロンドンの木を使い、木を生かす加工をしている人!
できれば個人でなく、グループやチームでやっているところがいい!
できれば滞在先に近いところで!
Googlemapで探しまわりました・・・
furniture maker woodworkなんて打ち込みながら範囲を絞って検索
出たところをしらみつぶしにチェック。
そしたら見つかったんです!
Googlemapすごい!
すべての条件に当てはまって、さらに期待を超えてくる工房
ここに行くしかない!とすぐアポの連絡を取りました。
Goldfinch という工房
工房を訪ねるとたぶん代表のマイクさんとデザイナーのフレッドさん出迎えてくれました。名刺交換というシステムが無いので肩書が間違っているかも・・・二人がgoldfinchで行われている家具作りのプロセスを順を追って紹介してくれました。
PROCESS
とても分かりやすいウェブサイトからの引用要約と、現地で聞き取った内容を織り交ぜながら簡単にご紹介します。
(英語ができない松原翻訳なので、より詳しく知りたい方はWebサイトをご確認ください!)
➊製材
管理場所で、伐採されれていた又は伐採する必要があった広葉樹主にロンドンM25と呼ばれる区域内の木を調達しています。BTタワーが見えるような都会で伐採することもあれば、工房から50mほどしか離れていない場所で伐採することもあるのだとか。
チェーンソーを使用して製材、乾燥。(Webサイトに動画もあったので、良かったら見て見てください!)もし伐採が必要な木があればその木材を使って特別な作品を作ることもできるのだとか・・・この時点で木と暮らしの制作所がやりたいことを全部やっている感じです。
➋乾燥
敷地内で桟積にして自然乾燥。その後、特注の乾燥窯に入れ、水分含有量を約 12% まで下げます。工房の目の前に板が積まれトラックの荷台ほどの窯が二つ並んでいました。
❸デザイン
100% オーダーメイド。経年変化でより美しくなる家具を作っているそう。3DCADを使い、デザイン顧客と直接やり取りしながら、デザインを詰めていくのだとか。持っている材料にはサイズも量も限られているのでデザインが決まってから樹種を提案すると話していました。どの木も背景がしっかりとしていてつい誰かに話したくなるようなものばかりでした。
➍材料
オーク、アッシュ、栗、クルミなどを使用。そして木材以外の素材、例えば真鍮やいぶし鋼などの金属や樹脂、ガラスや大理石も。3Dで見せてもらったデザインは壁付けのキッチンカウンターの壁面に真鍮板が貼られたものでした。
❺制作
週の初めにあった木の板が、週の最後にバランスの取れた家具になっていることは何とも言い表せません。とサイトに書いてありました。共感です。
「無垢の木もたくさん使うけど、引き出しの中はポプラでできた合板もつかったりもする。バランスが大事だよと。」話してくれました。工房にはNCも導入されていて、手加工と効率的な仕事のバランスが取れるような仕組みになっていました。
❻植樹
持続可能なプロセスを実現するために、新しい家具を作るごとに、次の世代のために木を植えてサイクルを完成させます。新しい木が最適な場所に植えられ、適切に管理されるようにしているのだそう。
ロンドンと飛騨では生えている木も違えば状況も違うようでした。街を歩けば手入れされた直径1mを超える大木がゴロゴロとしていて、ビルの中に森があるのか、森の中にビルがあるのかと思う程。帰ってから分かったのですが、goldfinchの皆さんは樹木医さんや森林管理者と協力しながら病気になった木や倒す必要がある木を使い家具を作っているそうです。
WORKS
作っているものは木を生かしたデザインで素晴らしいものばかり。ただ会話の中でとても気になったことがありました。「仕事の半分は若い人たちへトレーニングなんだ」「僕らはカフェも運営しているから、若い子たちはここでつくったものをそこで販売していたりするんだ」と話してくれました。
戻ってから色々調べてみると慈善団体も運営しているようでした。
Keep in touch
共感
ロンドンと飛騨では場所も環境も違えば育つ木も違い、置かれてる状況も違うものですが、森のことを考え家具を作る姿勢や自分たちでできる事で社会貢献をする考え方に共感・感動。短い滞在期間の中でgoldfinchさんを訪ねることができたことは本当に幸運でした。
お土産にIROMUをプレゼント。
お返しにと大量の木材を頂きました。
イチイにクルミ、London Planeと呼ばれているプラタナス(和名:すずかけの木)など。
空港で没収されるんじゃないかとひやひやしながら持ち帰りましたが、乾燥済みの一部加工されているため植物防疫法による植物検疫の対象外。念のため浮いている樹皮はホテルではがし、材料としてではなくアートピースとして持ち帰らせていただきました。
そして最後は連絡を取り合っていこうと言って頂きました。
ぜひ日本にも来てもらいたいですね。
書いた人 松原千明